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そう?うつ?何それ美味しいの?

~躁とうつの波を穏やかに乗りこなすためのコツ~

そう?うつ?と思ったら読みたい本

 

 この本は私が2011年に「うつ病」と診断された時から、急性期、回復期、復職に至るまでの羅針盤となってくれています。

現在は中古本しかありませんが、未だに参照して新たな発見がある有用な本であると思っています。自分の病気への理解が深化するほど、再読したくなる、そんな本です。

 

解説

うつ病双極性障害(そううつ病)とは何か?に網羅的に答えている。

「職場のうつ」というタイトルですが、双極性障害も対象として、分類は「うつ病【従来型、非定型、その他】」「双極性障(そううつ病)【I型、II型】」「慢性の軽症うつ病」となっており、どの症状にどのような対応が必要なのかわかりやすく解説されています。正直、医師の説明よりも当てになると思いました。

うつ病と言ったら一発目はパキシル」と言われるくらい、第一選択としてSSRISNRIが使用されます。それで効かなかったら、「薬が取っ替え引っ替えされて、大量に薬を盛られて・・・」というイメージが先行しますが、この本ではその後に辿るべき「薬物療法フローチャート」があり、また、その他療法についても触れているので、心配が軽減されます。薬を処方する意図まで丁寧に説明してくれる医師は、なかなかいないと思いますので、こういう本があると助かりますね。

急性期の治療法、回復期のリハビリ、再発しないための復職準備がわかりやすい。

多様な選択肢を具体的に記載しており、各ステージですること、できることがわかります。私が手にした時は急性期のまっただ中で、全く読む気に離れませんでした。ですが、「流れとしてこういうものがあるんだな」 「一筋縄には行かない病気なんだな」とぼんやり思った覚えがあります。

回復期に熟読したい内容ですが、2012年の休職1回目は薬のおかげで「元気になった!」「もうこれで大丈夫だ!」と思い、復職準備編はざっくりと読んで、後述する「認知の歪みの矯正」に関しては小馬鹿にするくらいで読み飛ばしました。しかし、これが一番重要なのだと認識するのは、2015年の休職3回目でした。

薬だけでは寛解せず、「認知の歪みの矯正」などが必要であることを理解できる。

私はうつ病などの治療において、薬と同じくらい、「認知行動療法」が必要だと思っています。

うつ病になりやすい人は、完璧主義である、責任感がある、協調性があるなど、仕事をする上では有能ではあります(私もね!)が、それが重責になってストレス過多、そして疲弊し、倒れてしまう、という流れが一般的です。

薬を飲むことによって、疲弊した心身は回復します。しかし、完璧主義など、「思考のクセ」「認知の歪み」自体に気付き、それを内省し、働き方を見直すことが全員できるわけではありません。むしろ少ないのではないでしょうか。

「思考のクセ」「認知の歪み」が根底にある限り、同じ働き方をすると、同じように疲弊して倒れてしまうリスクは非常に高いです。(実際に私も復職支援プログラムに参加して20名ほど、そういった方と時間を過ごしてきました)

その「認知の歪み」を矯正して適応的な考え方、行動ができるようにするのが「認知行動療法」です。私の場合は、完璧主義なので、例えば「資料を作成するときは、時間がある限り、フォントや図形などを綺麗にしたい」といったことを考えます。それに対して適応的な考え方ができるようになると、「資料は本質が伝われば十分で手書きでもいい。他人はそんなに細かく見ることは無いのだから、言われたら直すくらいでいい。」となります。「いやいやそんなこと言ったって無理でしょ?」と思われるかもしれませんが、それができるようになるのが「認知行動療法」だと思っています。

全120ページ中「認知行動療法」については2ページ、「復職支援プログラム」については6ページとあまり紙面が割かれていませんが、寛解においては重要な考え方です。「認知行動療法」や「復職支援プログラム」については、別の機会に書きたいと思います。

公的支援、特にお金の不安に関する話題がQ&Aで書かれている。

世の中お金ですよ。お金。うつ病は驚くほどの金食い虫です。治療そのものにお金がかかる上、休職したら収入が絶たれ、約款によりますが保険も入れなくなります。

パキシルが処方された当初は1週間分で診察と合わせて4000円程度かかり、初診ときは変な声が出そうになりました。

そんなあなたに「自立支援医療制度」です。自己負担が1割になるという、とても幸せな制度なのですが、主治医から聞かされたのは数カ月後でした。「もっと早く教えてよ!」と思ったものです。あと、障害者手帳は私から申し入れました・・・

公的支援は、知らない人に手を差し伸べてくれるものではありません。知っている人が利用できるのが、公的支援です。今回取り上げたものに限らず、悲しいかな、これが現実です。

 

以上、解説と所感を交えて、自己紹介も含みますが、本書に関する紹介でした。完璧主義的なところがあるので、長文になってしまいますし、本当はもっと書きたいのですが、この辺にしておきます。